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ストックオプションで儲かった人の事例と傾向|ITベンチャー転職時の効果的な方法(体験談あり)

ストックオプションで儲かった人の事例と傾向|ITベンチャー転職時の効果的な方法(体験談あり)
  • 会社でストックオプションをもらえたが、どのくらい儲かるのか気になっている…
  • ストックオプションをもらえる企業の探し方ってどうすれば良いの…?

このような悩みを解消するために「ストックオプションで儲かった人の事例や傾向」「効果的な転職活動の方法」をお伝えしていきます。

キリン旦那

わたしはIT系ベンチャー企業に勤める現役サラリーマンで、過去2度ストックオプションを付与されるも2度とも上場前に退職してしまいました。このような、わたしのしくじり体験を元にストックオプションについてお伝えしていきます。

この記事でわかること

  • ストックオプションで儲かった事例
  • ストックオプションで儲かった人の傾向
  • 企業がストックオプションを付与する理由と、従業員のメリット・デメリット
  • 数年後にストックオプションで儲かったと言うための効果的な転職活動

それではさっそく見ていきたいと思います。

ストックオプションで儲かった?儲からなかった事例も紹介

結論としては、ストックオプションを付与されて儲かった人もいれば、儲からなかった人もいるのが実情です。

儲かったかどうかは、利益が1円でもあった場合は儲かったという前提でお話をしていきます。

キリン旦那

ただし、同じタイミングでストックオプションをもらった人でも人によって儲かる金額は変わります。

なぜならストックオプションは付与される側(役員や従業員)の状況や、企業のフェーズ・株価によって変わるからです。付け加えると、上場できなかった場合のストックオプョンは紙切れ同然の価値(0円)になる可能性もあります。

では、国内ITベンチャー・スタートアップ企業の従業員がストックオプションを付与されて儲かったかどうかの事例を見ていきましょう。

ストックオプションで儲かった事例:メルカリで働いていた場合

キリン旦那

儲かった事例の代表例としては、上場当日の終値で7,000億円の時価総額を達成したメルカリです。

メルカリは6割以上の従業員にストックオプションを付与していました。上場当時は約1000人ほどの従業員がいたとされています。

メルカリの有価証券報告書によると、役員を除くその他629名に合計「3,804,601株」が分配されているという記述もある。この株式数に同じく5,300円をかけると約200億円。これが629名に平等に分配されると仮定すると、その額は約3,200万円になる

引用元:35名が6億円以上の資産、メルカリが証明したスタートアップドリーム

これによると、なんと1人あたり約3,200万円の利益が出たというのは驚きですね。

ただし従業員数での均等配分は考えにくいので、実際は人によって利益差額はかなり大きいと予想されます。

ここまで儲かった事例は日本国内でもメルカリが飛び抜けている印象です。スタートアップドリームというのも頷けます。

キリン旦那

ただし、良い事例ばかりではなく残念ながら儲からなかった事例も多いのが現実です。

ストックオプションで儲からなかった事例:上場できなかった企業の場合

上場できなかった企業は3つの道があります。

  • 売却
  • 事業縮小
  • 倒産

どれも働く従業員にとっては、良いことがなさそうですね。

①の売却に関しては、M&Aなども含まれますがこの5年間で増加傾向にあり、2016年は53件だったものが、2019年以降は90件を超えてきています。(引用元:スタートアップM&A動向調査 2020 - EY

また純粋に事実上の事業縮小と倒産ということで、タダ同然で身売りするベンチャー企業もあります。メルカリの関連会社であるメルペイに売却されたOrigami(オリガミ)という企業のケースは私も衝撃を受けた記憶があります。

スマートフォン決済の老舗であるOrigami(オリガミ)は1月23日、フリマアプリ大手メルカリのスマホ決済子会社であるメルペイに会社を丸ごと売却すると発表した。両社は売却価格を非公表としたが、複数の関係者は1株1円だったことを明らかにした。同社の株数は259万株であるため、譲渡価格は総額約259万円だったことになる。(中略)複数の関係者によると、オリガミは売却発表と同時に社内向けに大規模な人員削減策を公表。社員185人のうち約9割にあたる160~170人規模のリストラ策に踏み切る。

引用元:メルカリへのオリガミ売却価格は1株1円、事実上の経営破綻で社員9割リストラ - DIAMOND ONLINE
キリン旦那

このような場合、従業員の持っていたストックオプションはもちろん、役員や社長においてすらほぼ利益はなく、むしろマイナスと言えるでしょう。

ストックオプションによって儲かった事例と儲からなかった事例を見てきましたが、続いてストックオプションで儲かりやすい人の傾向についてご紹介します。

ストックオプションで儲かりやすい人の傾向

ストックオプションで儲かりやすい人というのは、ストックオプションを上手に手に入れることができる人と言っても良いでしょう。

そのような人の傾向は以下になります。

  • 社会への影響力が大きい・大きくなりそうな企業で働くことができる人
  • 創業メンバーや早期フェーズで転職できる人
  • 貢献度が高い人

ひとつずつ見ていきたいと思います。

傾向①|社会への影響力が大きい・大きくなりそうな企業で働くことができる人

社会への影響力が大きいというのは、平たくいうと、世の中の多くの人に受け入れられる製品やサービスを提供している企業ということに言い換えることができます。

メルカリであれば、個人の不用品を手軽にアプリで販売できるプラットフォームを提供しています。今ではCMやテレビでも見かける機会が多くアプリを利用している人も多いでしょう。

他にはSansanというビジネス上の名刺管理をクラウドで管理できるサービスを展開している企業の場合、国内の名刺管理サービスのシェア80%を占めるサービスを運営しています(2020年時点)。こちらの企業は東証一部に上場しており、時価総額も1,200億円規模と言われています。

そのような影響力が大きい企業は、株価や時価総額にも良い影響を与えます。そのためストックオプションを持つことができれば儲かる可能性も高くなりやすいでしょう。

傾向②|創業メンバーや早期フェーズで転職できる人

ストックオプションで儲かりやすい人の傾向は、まだ世の中に知られていない状態の企業に転職できる人です。

創業メンバーは当然ですが、入社時期が早い人の方がストックオプションが多く受け取れる可能性が高いです。

しかし、このような企業の場合、創業期やシード、アーリといったまだ利益が出ていない赤字状態の企業が多いです。給料も低いでしょう。事業がダメになる可能性も高いです。

キリン旦那

そんな状況で転職を決断できる人というのは、ある意味リスクを取れる人と言い換えることができます

傾向③|貢献度が高い人

企業や事業への貢献度が高い人もストックオプションは多く付与される傾向があります。

企業も優秀な人にはずっと残ってもらいたいという気持ちもありますし、給与がそこまで払えない場合もありますのでストックオプションを他の人よりも多めに付与する傾向があります。

つまり成果を着実に上げていくことができる人はストックオプションの持ち分も多くなり売却した時の利益も大きいので、儲かりやすいと言えるでしょう。

ここまで儲かりやすい人の傾向を見てきましたが、このように気になる人もいるでしょう。

キリン旦那

もしかすると、億万長者も夢では無いのかも?

この期待に対する回答としては、億万長者になれる可能性は低いので期待しすぎは厳禁です。

過去上場したベンチャー企業において創業メンバー以外の上位10名のストックオプション比率のデータによると、0.34%という持ち分比率が算出されます。

企業の時価総額平均値で見ると約1億9400万円となります。

ではこの0.34%の中に入るのがどの程度難しいのかというと相当難しいです。なぜなら、上場が見込めるほど成長ができる会社を見極めた上で、創業期すぐに入社し中心的存在として活躍し続ける必要があります。

キリン旦那

創業期の段階で転職エージェントにも情報が回らないことも多く、一般的な転職活動で入社してもこの比率から低くなることは想像がつきます。

そもそもストックオプションとは?付与する企業にメリットがある

ストックオプションとは、将来の権利を約束することなのですが、例で説明します。

<例>
企業からあなたに現在価値1,000円の株を10株買う権利を付与します。
上場後に株の価値が3,000円になりました。
あなたは1,000円で買う権利を持っているので、1,000円で10株分購入しました。
その後、3000円で株を売却し利益が20,000円プラスになりました。

もしストックオプションを行使することができるようになったら、上記例のような流れで売却などをすることになるでしょう。

では、報酬の権利を約束するのになぜ企業にメリットがあるの?と思う方もいるでしょう。

ストックオプション付与による2つのメリット

企業にとってストックオプションを付与するのは「優秀な人材を採用したい」のと「社員のモチベーションアップ」の2つのメリットがあるからです。

優秀な人材を採用したい

IT・Web系ベンチャー・スタートアップ企業は採用競争が激しいです。

また、シードやアーリー期のIT・Web系ベンチャー・スタートアップ企業は、大手企業と比べると知名度もなければ、給与水準も高くありません。役員や社長でさえも年収を一般サラリーマン並みに抑え、事業に投資している企業が多い傾向です。

ただし、資金も限りがある中で成長スピードを早め、競合他社よりも事業成長させていく必要があります。成長の鍵は優秀な人材が必要不可欠なわけです。

キリン旦那

そういった優秀人材を早いうちに採用したいために、ストックオプションを設計している企業が多いです。採用時にもストックオプションの比率を提示してくる企業もあります。

社員のモチベーションアップ

ストックオプションは新入社員だけでなく、既存の従業員に対してモチベーションをアップさせるメリットもあります

数年で事業を急成長・拡大させ上場をさせるためには仕事量や範囲などストレスなどの負荷がとても高い状態が続くでしょう。現在の年収が低かったとしても、企業のビジョンに共感してリスクを負って転職してくれた従業員に対する感謝の形として付与する企業が多いです。

付与される基準も企業によって違いがありますが、共通していることは企業に何らかの貢献をしてくれている従業員に対して付与数が多くなる傾向にあります。

キリン旦那

付与される従業員も頑張りを認めてもらえているとシンプルに嬉しいですし、上場後の夢が膨らみますよね。

また、IT・Web系ベンチャー・スタートアップ企業は退職金が無いと言って良いでしょう。そのため、退職金代わりに役立ててもらうために用意している企業も多いです。

企業がストックオプションを付与する2つのメリットを見てきました。企業は金銭を払うことなく従業員に権利を与えることになるので、メリットがあるということが言えます

では従業員から見た時のメリットなどはどのようなものがあるか見ていきましょう。

もちろん従業員にもメリットはあるが、デメリット(注意点)も多い

ストックオプションを付与された従業員のメリット・デメリット(注意点)がそれぞれあります

メリット
・キャピタルゲインが見込める
・権利の取得は無料

デメリット(注意点)
・上場前まで権利が使えない
・権利を使える期間が決まっている
・金銭的負担がある(ストックオプションの種類による)
・紙切れ同然になる可能性も高い
・上場後に営業される可能性がある

メリットについてシンプルなので説明はしませんが、デメリットが多いのでそちらを詳しく見ていきたいましょう。

デメリット①|上場前まで権利が使えない

キリン旦那

一般的にストックオプションは、上場後に権利を行使できる契約になっています。

そのため途中で退職をしてしまった場合、権利を放棄することが一般的です。上場まで明確な期間が読めないのでその間は先が見えない中でも事業を成長させていく必要があります。

デメリット②|権利を使える期間が決まっている

キリン旦那

ストックオプション付与時に権利行使期間が定められていることが一般的です。

権利行使期間とは、ストックオプションの権利を使って株を購入できる期間のことです。

またストックオプションの種類によっては、付与がされた日から2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間に行わなければならないこと。のように法律で定められているものもあります。

企業ごとによっても別途、行使条件を定めていることもありますので、ストックオプションの制度をよく確認しておくことをおすすめします。

デメリット③|金銭的負担がある(ストックオプションの種類による)

以下の図のように、ストックオプションの権利を付与された時権利を使い株を購入するとき株を売却した時の3つがストックオプションの種類によって金銭の負担の有無が変わります。

こちらも、企業によってストックオプションの種類が違いますので、確認しておくことをおすすめします。

デメリット④|紙切れ同然になる可能性も高い

当然ですが、上場ができなかった場合は、ストックオプションは一切の価値が無くなります

上場を目指している企業の中でも、上場できる企業の割合は10%ほどというデータもあります。

また、所属している企業が買収された場合なども、場合によってはストックオプションの権利は無効になる可能性もあります。そのような内容も契約書に記載されていますので、確認しておきましょう。

デメリット⑤|上場後に営業される可能性がある

最後におまけ話ですが、上場した企業は有価証券報告書というものが発行されます。

そこにはストックオプションの付与がされた従業員名が公開されている場合もあります。そのため、個人名が特定できてしまうことと儲かった金額がある程度予測できてしまいます。

キリン旦那

そのため、お金を持っている人ということで会社に営業電話がかかってきたりもすることもあるでしょう。

ここまで見てきたようにデメリットや注意点はそれなりにありますが、しっかり契約書などを確認しておくことで後になってこんなはずじゃなかった!ということを防ぐことができます。かつ仕事を頑張ったボーナスとして利益も得られることでしょう。

数年後に儲かった!と言うための方法と注意点

まずはストックオプションをもらえる有望なIT系ベンチャー・スタートアップ企業へ転職するのが良いでしょう。

キリン旦那

では上場を目指していて有望な企業であればどこでも良いのかと言うとそんなことはありません。

当然ですが、ストックオプションをもらうためには、企業自体が発行している必要がありますが、中にはストックオプションを従業員に付与しない方針の企業もあります

その他、注意点としては、シード期やアーリー期だと、ストックオプションが設計段階の場合も多く、入社後しばらく経ってから付与される場合が多いので、気長に待つ方が良いでしょう。

キリン旦那

実際に私もアーリー期の企業に入社して約1年後にストックオプションを付与されました。

現状、無いからといって悲観する必要はないので、面接などで確認するが良いでしょう。

上場が有望なIT/Web系ベンチャー・スタートアップ企業に転職するために私がとった行動

キリン旦那

過去2社とも上場をした企業に所属していたので、その経験をもとにお伝えしていきます。

  • スタートアップ企業に精通している転職エージェントを活用し情報を集め、以下の確認をする
  • 確認ポイント1:これから伸びる業界か
  • 確認ポイント2:業界の中でも注目されている企業か
  • 確認ポイント3:企業の将来やビジョンに共感できるか
  • 確認ポイント4:社長について調べる
  • 確認ポイント5:面接でストックオプションについて確認する

上場の可能性が高い企業を見つけるのは、個人で情報収集をするだけでは限界があります。

ITベンチャー・スタートアップに精通している転職エージェントの力を借りて、質の高い情報を集めていくことをおすすめします。

情報を集める中で、上記の5つのポイントを面接などでも質問から確認していくと良いでしょう。

なぜこのステップがおすすめかというと、転職活動はストックオプションが貰えることよりも企業や事業に惹かれるかが大事です。そこが抜け落ちてしまうと仕事への熱意も上がりづらいですし、良い仕事もできなくなってしまいます。
良い仕事ができなくなると、ストックオプションも貰うことは難しくなってしまいます。

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まとめ:ストックオプションは夢があるが、それだけを目的に転職はしない方が良い

ストックオプションで利益を得るためには、ストックオプションの仕組みやメリット、注意点などをしっかり把握しておくことが大切です。

またストックオプションはあくまで付加価値のひとつとして考えておくぐらいがちょうど良いかなと個人的には考えています。

キリン旦那

あまり期待しすぎても上場できないと意味がないですしね。

ストックオプションに期待しすぎるよりも、あなたが本当に転職したいと思える会社なのかを第一優先で見極めることを強くおすすめします。

その先にきっと良い結果が得られるはずです。

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